任意売却のメリット
任意売却のメリットとしては、
① 不動産を競売よりも高値で売却できる
② 残債務の返済交渉ができる
③ 近所や周りの人に知られないので、プライバシーを守れる
④ 引っ越し費用や明け渡し時期などの点で有利
⑤ 持ち出し費用がかからない
の5つが挙げられます。
①不動産を競売よりも高値で売却できる
競売による不動産取引は、基本的に不動産業者を相手にしたものであるため、最低売却価格が基準となり、市場価格の5~7割で落札されてしまいます。
これに対して任意売却は、通常の不動産取引と同じように、広く一般の方に対して売却活動を行えるため、市場相場に近い価格での売却が成立する可能性が高くなります。
競売よりも高値で売却される可能性が高いため、債権者はより多くの債権を回収できますし、債務者にとっては残債務を少なくできるというメリットがあるのです。
②残債務の返済交渉ができる
任意売却で不動産を売却したとしても、残りの債務が全てなくなるというわけではなく、多くの場合、債務は残ります。
ただし、任意売却後に残った債務に関しては、債務者が無理なく返済できるよう、債権者と交渉することができます。
残債は債権者との相談の上、分割返済にしてもらうことも可能ですし、月々の返済額も可能な範囲で良いというケースが少なくありません。
このように柔軟な交渉ができる点が、任意売却のメリットです。
③近所や周りの人に知られないので、プライバシーを守れる
自宅などの不動産が競売にかけられると、競売物件として書類が裁判所に掲示されたり、官報や競売情報誌などにも物件情報が掲載されたりします。
また、インターネット上にも物件情報が掲載されてしまうため、周りの人に知られてしまう可能性があります。
それに対して、任意売却の場合、通常の不動産取引と同じなので、情報が外部で公表されるという心配がありません。
このようにプライバシーが守れるという点も、任意売却のメリットです。
④引っ越し費用や明け渡し時期などの点で有利
競売の場合、引っ越し費用を落札者に請求したとしても、支払われることは少なく、強制執行で追い出されることもあります。
それに対して、任意売却の場合、引っ越し費用も20~30万円を上限に、債権者が売却価格の中から認めてくれることが多いです。
また、明け渡し時期についても、競売のように強制的に立ち退きを迫られるのではなく、事情を考慮して融通をきかせてくれるケースが多いです。
⑤持ち出し費用がかからない
住宅ローンの返済を滞納されている方の場合、
・マンションの管理費用
・修繕積立金
・固定資産税などの税金
等の諸費用についても滞納されているケースが多いです。
任意売却の場合、債権者との交渉次第では、売却価格の中からこのような費用を控除してくれる可能性があります。
そのため、所有者の持ち出し費用がかからないというメリットがあるのです。